梅宮まんたろう物語

憧れるよりられるタイプ

2人の人を同時に好きになった時の決め方

 

先日、旧知の友人から恋愛相談を受けた時の話になります。

 

 

彼は20代後半を生きており、元々妹を通じて知り合いました。

 

20代前半だったと思いますが、昔過ぎて何年来の付き合いなのか覚えていません。

 

当時お互い夜職をしていたこともあり、共通の話題や生き方で意気投合しました。

 

(当時はまさかこんなに長い縁になるとは思ってませんでしたけど)

 

彼は20代前半で独立を、貿易会社の役員として活躍したり、この前は地方創生系の会社を新たに作り、農業にも参入しているやり手の経営者だ。

 

そんな彼からプライベートな悩みがあると。

 

 

私に乗れる相談などあるのだろうかと思いながら電話をした。

 

 

「2人の人を同時に好きになった経験ある?」

 

なるほど、恋の悩みか。

 

 

昔からよく恋愛相談をされる性分だったので驚きはしなかった。

 

話を聞くと、社長秘書の子と会社経理をしている子を好きになってしまったようだ。

 

どちらも取引先として関わりがあるので下手な失敗も仕事に響くので中々行動出来ずにいるらしい。

 

 

つい数ヶ月前まで彼は幼馴染と交際しており、意見の食い違いから別れていた。

しかし、ズルズルと関係は続いており、その事で相談をしていたのが秘書と経理の子だ。

 

どちらも親身になって相談に乗ってくれる中で恋心が芽生えたようだ。

 

 

彼がもし女性なら下手にアドバイスはせず、うんうんと相づちだけを打っていただらうが、彼は男だ。

 

それも私に相談してきたということは何か明確なアドバイスがほしいのだと悟った。

 

 

 

「まず大前提として元カノと復縁する気はないの?」

 

私の質問にキッパリとNOと答えた。

 

 

なるほど。

元カノと復縁する気がないなら秘書か経理に絞られるわけだ。

 

 

「そもそも最近別れたばかりで彼女ほしいの?」

 

これについては悩んでいた。

 

そもそも人を好きになることと付き合うことは全く別の話だ。

 

仕事やプライベートも忙しい彼が果たして彼女という存在を欲しているかが疑問だった。

 

 

悩んだ末に出した答えは「彼女が欲しい」だった。

 

30歳手前でプラプラ遊ぶのではなく、誰かと落ち着きたいというのが理由だった。

 

 

なるほどなるほど。

彼女は欲しいがどちらか決めれないと。

 

 

どちらも良いところがあって、どちらとも付き合えるというのだから困ったものだ。

 

知り合ってから1年は経過しているらしいからそれぞれの性格もそれなりに知った上で好きなのだろう。

 

どちらと付き合っても楽しいと思うが、中途半端に2人と遊ぶような関係にはなりたくない。

 

ここが最大の悩みだということは会話から理解した。

 

 

ここまで質問をする度に頭を抱えていた彼に最後に一つだけ質問をした。

 

この質問にだけは何故か即答だった。

 

 

 

 

「じゃあ、どっちの子といる方が一番自分らしく振る舞える?」

 

 

彼は「経理の子」と答えた。

 

 

じゃあそれが答えだよと教えてあげた。

 

 

恋愛というのはつい相手にばかり重きが置かれがちだが、自分の心と向き合ってみると意外と疑問が解消される。

 

やはりどんな人といるかは、どれだけ自分が自然体でいれるかだと私は思う。

 

どっちの子といる自分が好きか。

 

これが彼にとって求めていた答えだった。

 

 

 

満足もしたようだしこの電話もそろそろ終わりかなと思い始めた時、彼からさらに不安が漏れた。

 

「でも告白して玉砕したらって思うと辛いよなあ

 

取引にも影響出たら嫌だし」

 

 

 

彼は優秀で仕事もバリバリできる男だったが、そんな男が何故こんなにも非合理的な告白をしようとしているのか理解できなかった。

 

「待て待て、いきなり告白はやめとけ笑」

 

私は慌てて止めた。

 

 

 

そもそも付き合えるか付き合えないかも分からない告白などする必要が無いと私は思っている。

 

何とか彼にもそれを伝えねば。

 

 

 

 

「ビジネスで大事なことはさ、勝つことじゃないんだよ」

 

「負けないこと、だろ?」

 

 

彼は私が答えを言う前に答えた。

 

さすがビジネスのことになると頭の回転が早い。

 

 

 

「恋愛もビジネスと同じで、勝つか分からない勝負はするな。とにかく負けないように動くんだよ」

 

つまり告白して玉砕する可能性がある勝負に挑むなということだ。

 

 

 

「だったらどうするんだよ」

 

彼は早く答えが知りたくて堪らない声で言った。

 

 

 

「仕事でもさ、いきなり取引先に見積出したりしないだろ?まずは相手がどんな課題があって、どんなものを求めてるのか話を聞いてから確実に相手に刺さる提案をするだろ?」

 

 

恋愛も同じだ。

 

結論からいえば、相手が確実に好意を抱いていると分かるまで告白はするべきでない。

 

ではどうやってそれを確かめるか。

 

ジャブを打つのだ。

 

ボクシングでもいきなりストレートは打たず、ジャブやボディーを攻めるのと同じようにまずは自分があなたに好意がありますと遠回しに伝えるのだ。

 

それで相手がどういう反応をするかを伺う。

 

なにか相談事されたら、もし俺が彼氏だったら~とか

あなたが彼女だったら毎日楽しいだろうなあ~とか

 

自分と付き合ってる状態を相手にイメージさせるのだ。

 

 

そこで相手がどの程度拒否反応や話を受け流すかで大体自分への好意を測ることが出来る

 

彼は早速次に会う時にジャブを打ってみるそうだ。

 

 

 

がんばれ。