梅宮まんたろう物語

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【解説】会社を買って、起業する。超低リスクで軌道に乗せる「個人M&A」入門 前編

こんばんわ。

 

 

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今回の記事では五味田匡功(ごみた まさよし)さんの書かれた「会社を買って、起業する。」を解説していきたいと思います。

 

五味田さんは事業承継コンサルタントとして活躍している方で、2020年3月には自ら立ち上げた社労士事務所を事業承継し引退、同時に42年の歴史がある株式会社クリエイトマネジメント協会を承継する。承継を「する側」「される側」両者の経験を活かして、新しい承継モデル「ネクストプレナー」を立案し、日本最大の税理士事務所である辻・本郷税理士法人との共同事業として国、地方公共団体、金融機関と連携しながら普及に取り組んでいる。

 

そんな方が書かれた本書では、個人M&Aの入門編として基礎から実践におけるノウハウまで分かりやすく解説されている。

 

本書を読むことで次のような疑問が解消されるだろう。

 

・会社ってそんなに簡単に買えるの?

・会社ってどこで売ってるの?

・そもそも、なんで売りに出ているの?

・いい会社を買うには、十分な資金を用意する必要があるのでは?

・いい会社を見つけたとして、どうやって進めればいいの?

・いい会社の見分け方ってあるの?

 

ではさっそく本書をざっくり解説していこう。

 

 

序章:どんな人が会社を買っているのか?

 

最近ではメディアでも取り上げられるようになった個人M&A。

M&Aといえば、「大企業やグローバル企業による合併・買収」といったイメージを持つ人が多いと思いますが、今や企業(法人)ではなく個人が、飲食店や小売店など小規模な事業、特に承継者がいない会社を買う「個人M&A」が増えてきているのです。

 

その背景には経営者の高齢化や承継者不足に加え、ビジネス環境の変化が加速していることなどさまざまな要因があります。

 

さらに新型コロナウイルスの感染拡大も影響しています。

 

「事業継続が厳しいので、会社を壌土・売却したい」という売り手側のニーズと同時に、「コロナ危機をチャンスと捉えて、M&Awp積極的に行いたい」という買い手側のニーズが高まっているのです。

 

中でも会社員やフリーランスの人でも個人M&Aを積極的にしていくことを本書は勧めている。

 

特にサラリーマンであれば今いる会社でのノウハウを活かした会社を買うことで容易に事業を拡大していけますし、承継者がいない会社を安く買って、うまく経営してバリューアップさせれば後は経営者として受け取る収入を増やしていくか、最終的に売却するかはあなた次第です。

 

会社員などの個人が会社を買う場合の一番のメリットは、「副業(または投資)として収入源を増やし、収入をアップできる」ことです。

 

ここで多くの皆さんは「会社を購入できても、今の本業を続けながら別の会社を経営するなんて、とても無理」と思われるかと思います。

 

それについては方法はいくらでもあります。

 

「業務を自動化」したり、「運営を他者に任せる」などで、自分の時間を割かなくても会社運営ができる事業、方法はあります。

 

詳しくは後ほど解説していきます。

 

他にも士業・コンサルタントによる会社購入も増えています。

これには実は理由があって、士業やコンサルタントは他の職種にはないメリットやアドバンテージがあるからです。

 

①もともと契約している顧客の状況をよく理解しているため優良企業を選別できる

②士業・コンサルタントとしての仕事に説得力が出る

③自身が現場に立たなくても、コンサルティングノウハウを活かして経営できる

 

特に②は自分で実際に経営をして成果を出すことができれば交渉でこれ以上の説得力はありません。

 

 

と、ここまで会社購入のメリットを記述しましたが、次にリスクについてお話します。

 

個人による会社購入の主なリスクは下記です。

 

①収入面での安定性が保障されない(がんばって働いた分だけお金がもらえるわけではない)

②買った会社が必ずうまくいくとは限らない

③経営状態の悪い会社を買うと、立て直す為の人・金が大量に必要となり、収益性極端に悪くなることがある

④会社の借入を返せない場合は、個人のお金で補填して支払うことも起こり得る

⑤別事業を運営することで本業が疎かになり、本末転倒になってしまう

⑥自分以外に起因する不祥事や問題の発生で、会社が大きな損失をこうむる場合がある

 

以上が主なリスクになるので頭には入れておきましょう

 

 

こうしたリスクがあるとはいえ、M&Aは副業や投資として。事業拡大の手法として、そして何よりもこれからの時代の生き残り戦略として有効です。

 

その為にも大事なことは「いかに経営力があるか」よりも「いかにいい会社であるかを見定め、いい形で引き継ぐか」です。

 

本書はいい会社の見定め方について一番重きを置いて書かれているのでこれからより詳しく説明していきますのでぜひ、そちらを参考にしながら「成功するM&A」のポイントを学んでください。

 

 

会社は「超友好的」に買うのがベスト

 

まず初めに、会社購入は至ってシンプルなルールで成り立っている。

 

車や電化製品と同じで売りたい人と買いたい人がいて、お互いの希望や要望がマッチすれば売買が成立します。

 

これはメルカリやヤフオクを使ったことがある人ならイメージしやすいはずです。

 

 

なにか買い物をする時に、よりいい物をより安く買いたいとは誰もか考えることです。

会社購入でその為に必要なことは「知識」と「信頼関係」です。

 

知識とは言わば目利きで、悪い買い物をしないための見分ける目です。

 

そして相手にこの人になら是非会社を任せたいと思ってもらえる信頼関係が築ければ、結果としていい条件で、安く売ってくれるのです。

 

会社売買では双方が中長期的にいい関係で、win-winの関係になろうと思えるような状況を作ることが大事です。

 

 

次にどんな会社を探すかについてですが、

これは「承継者がいない会社」を購入しましょう

 

現在日本では承継者がいなくて困っている会社が非常に増えています。

ある調査によると2025年までに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、その半数127万社が承継者未定となるそうです。

 

又、新たな技術革新についていけなかったり、直近のコロナウイルスの影響もどうやら関係があるようです。

 

なので本書では「承継者がいない会社を、超友好的に買う」というテーマで書かれています。

 

 

次に小径車を求める経営者の「本音」を理解しましょう

 

①「できれば親族に会社を継いで欲しい」

 

②「会社を売りたいけど、赤の他人に買われたくない」

→企業買収=経営悪化した会社が吸収される手法といったネガティブなイメージがある為

→会社を売るのが恥ずかしい=プライド

→自分でないと経営できない、という思い込み

→いつまでも社長の地位にいたい、という自己顕示欲や自己承認欲求がある

 

③「信頼できる人になら私でもいい」

→できれば親族に会社を継いで欲しいが、無理でも自分の意志を引き継いでくれる、信頼できる人に渡したい

 

 

以上が主な経営者の本音です。

 

このポイントを理解しつつ、相手経営者と親族のような信頼関係を築けることで、超友好的に会社を継ぐことが可能となります。

 

 

 

 

勝負は準備で8割決まる

 

会社購入を成功に導く鍵は「入念に準備する」ことです。

 

■主に下記の4つの要素を棚卸しすることです。

①「社会的ニーズ(市場)」のあることは何か?

②自分が「稼げる」ことは何か?

③自分が「得意」なことは何か?

④自分が「好き」なことは何か?

 

中でも④の重要度はそれ程高くないと筆者は言っています。

初めは好きになれなくとも、仕事に携わっていくうちに好きに変わる可能性があるからです。

 

ですので、最低でも「得意」で「稼げる」こと、加えて「社会的ニーズ」があることでないと、その会社はうまくいかないでしょう。

 

 

■次に必要な準備は「人脈づくり」です。

 

会社経営は、その規模にもよりますが、通常、社長一人ではできません。信頼できるパートナーとして協力してくれる人、経営を手伝ってくれる仲間が必要なのです。

経営には、税理士や社労士など専門家などのサポートが不可欠ですし、仕入れ先や代理店などの取引先、顧客といかにいい関係を築けるかが肝になります。

 

ですので積極的にビジネス交流会やオンラインサロンなど、人が多く集まる場所へ出ていき、出来るだけ多くの人と会うことが大切です。

 

そしていい人に出会ったら一つ仕事を頼んでみましょう。

 

小さくてもいいのでビジネスをしてみる、もしくは仕事を頼んでみることで、その人の実力がよく分かります。

ここでチェックすべきはその人のコストパフォーマンスの高さです。

 

どんな業界でも、報酬金が高い人は当然それなりにいい仕事をしてくれます。

しかし、金額の高い安いに関係なく、こちらの期待を上回る質の高い成果を出してくれる人はなかなかいません。そういうコストパフォーマンスの高い人に経営を手伝ってもらえたら最強です。

 

できるだけ多くの人に会って、実際にビジネスをしてみると、自然と人を見る目が養われます。

その結果、本当に気の合う支援者・協力者と長い付き合いができれば、それはあなたのキャリア、もっと言えば人生にとって、かげがえのない財産になるでしょう。

 

■買いたい会社の条件を決めて「購入計画」を立てる

 

ここからはより具体的に準備をしていきます。

買いたい会社の「業種・地域・規模・予算」を具体的にイメージするのです。

ここで一番大事なポイントは、「自分が心地よく(無理せず)経営できる会社のイメージ」を具体化することです。

 

そうしたイメージを持ちつつ、まずは気軽にマッチングサイトをチェックしてみましょう。

 

「TRANBI」や、国内最大級のサービス規模を誇る「BATONZ」など、数多くのM&Aマッチングサイトがあります。

こうしたサイトで実際にどんな会社がどんな条件で売られているのかをチェックしてみれば、買える会社の「業種・地域・規模・予算」が何となくわかるわけです。

 

まずはあまり深く考えず、メルカリのような感覚で、気軽に売り案件をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

■経営を支援してくれる「いい税理士・社労士」と仲良くなる

 

経営資源である「人・モノ・金・情報」のうち、経営を成り立たせるために、特に重要なのが、「人と金」です。

 

会社経営の肝は、「いかに、いい人材を採用し、定着して働いてもらえるか」と「いかに自社のお金が潤沢であるようにするか」です。

そこで「人」の専門家である社労士、「金」専門家である税理士の力が必要なのです。

 

それぞれの役割は下記の通りです。

 

税理士の仕事:税務(会社が支払うべき税金を管理)

       財務(財務諸表などを参考にして、

         経営状況が健全であるかをチェックし、

         資金調達・運用をどうするか考える)

 

いい税理士を選ぶ基準は、税務と財務をきちんとこなせることですが、とくに重要なポイントは「管理会計」「資金調達」「補助金支援」ができるかどうかです。

 

社労士の仕事は「人事制度」「採用」「助成金支援」などについて、しっかりとサポートができることですが、特に重要なのは「人事制度」に関する知識とスキルです。

 

「適切な人事制度作り」ができるかどうかで、経営がうまくいくか、いかないかが決まるからです。

 

税理士や社労士は、業務の性質上、一度頼んでしまうと途中で変更するのが大変なので、「慎重に選ぶ」ことが大切です。

 

 

 

以上、ここまでが会社購入の準備段階で、是非行ってほしいことです。

 

次の記事からはいよいよ実際に「会社を探す方法」についてざっくり解説していきます。