【要約】転職と副業のかけ算
この本はなぜ年収240万円の地方のホームセンター店長が、年収5,000万円を稼ぐサラリーマンになれたのかを解説した本である。
著書のmotoさんは4度の転職と、その経験を活かした副業を通じて、サラリーマンとして年収1,000万円、副業では年収4,000万円を稼ぐ人材となりました。
この本を読めばなぜ高学歴でも裕福な家庭に生まれたわけでもないmotoさんがここまでの収入を確立したのかがわかる。
さらにその具体的方法を丁寧に教えてくれている本だ。
転職したいけどどのようにしたら良いかわからない。
そもそも転職することが正しい道なのかもわからない。
副業をしてもどうせ大して稼げないだろう。
給料以外の収入がほしい。
老後のお金の不安を減らしたい。
そんな現状を変えたいと考えている人へおすすめの一冊である。
【今回のトピック】
・現職でまずは最大の成果を出す
・軸ずらし転職という考え方
・転職エージェントから「自分に合った求人」を引き出す方法
・本業を活かして稼ぐ「サラリーマンの副業」
・副業年収4,000万円でもサラリーマンを辞めない理由
現職でまずは最大の成果を出す
今日本の終身雇用は終わりを迎えようとしています。
こんなニュースを見たことは多いはずです。
日系最大手であるトヨタ自動車の豊田社長が言及した「終身雇用の限界」や
日本経団連の中西会長が発言した「終身雇用は制度疲労を起こしている」など、
こうした話題からもわかるように「大企業=安定」という概念は終わりを迎えようとしています。
そうした時代背景の中で我々サラリーマンに求められているものとは、
「個人で稼ぐ力を持つ」ことです。
これからの時代における安定の定義は企業への依存ではなく、個人で稼ぐ力にシフトしていくでしょう。
個人で稼ぐ力をつけていくというと、起業をイメージする人も多いですが、転職も副業も全く同じだということが本書を読んでわかりました。
どれも一つだけの組織に属さず、いつ首を切られても個人で稼いでいける力を養うことに必要なことです。
motoさんは副業に繋がるサラリーマン生活をしているので、幾度となく転職を繰り返していますが、個人の力で稼ぐという点では、副業が大きくなり、そのまま起業する方法もありだと私は感じました。
ここでは転職をすることでキャリアアップを計り、個人の市場価値を上げていく方法を解説していきたいと思います。
まず大前提として、現職で最大の成果が転職には必要になります。
当然、採用する側はあなたを採用することで我が社にどんなメリットがあるのですか?を気にします。
そしてそれを明確に証明できなければ今より高い年収でキャリアアップは難しいでしょう。
motoさんも新卒で最初は地方のホームセンターに入社しましたが、バイトみたいだと言われて馬鹿にされたそうです。
でもそこで腐らず、自分が成長できることは何でも挑戦していこうと決め、経営会議に出席できるよう交渉したり、店長になるためにお店の数字を見せて欲しいと懇願したのです。
周りはどうせ同じ給料なら頑張らない方がよいと考えている人もいましたがmotoさんは違いました。
ホームセンターの先の未来を見ていたのです。
私も新入社員時代は誰よりもがむしゃらで、他の同期が同期同士どんな仕事を任されたか話をしている中、自分の上司である係長の背中を常に意識してました。
あの人にもこんなすごい営業ができるのか・・・
それと同じ営業力がもし自分にもあったらどんな景色が見えるんだろう。
そう考えるとワクワクしながら毎日仕事をしてました。
会社で最大成果を出す、といってもどうすればいいのか分からない人もいます。
僕の場合はこの会社の社長だと自分を思い込みました。
若くして社長となってしまったが、現場経験もなにもないので一から学ばせてもらっているという物語を勝手に頭に作っていました。
目指すべきはこの会社に関わることは何でも知っている人。
だって社長なんですもん。
そう意識すると分からない単語が一つでも出れば即上司に聞きます。
社長はその単語聞いたことありませんでは済まされないからです。
そうして全てのことを語れと言われたら語れる状態にまずはなろうと努力しました。
motoさんもそうしてチャレンジを続けた結果、2社目である人材会社へと転職を成功させます。
転職する上で大切な考え方として、
「自分が成長できる企業はどこか?」という受け身な考え方ではなく、
「自分が成長させたい企業はどこか?」という視点でも考えていきましょう。
軸ずらし転職という考え方
motoさんの実践してきた転職方法は、年収の高い業界や職種に軸をずらす、「軸ずらし転職」という方法です。
年収というのは、「職種×業界」で大枠が決まります。
(もちろん役職や企業ランクと企業属性も関わってきますが、大きな要素は上記です)
つまり転職で年収を上げるには、「業界」か「職種」のどちらかの軸を「年収の高い業界」または「年収の高い職種」にずらすのが近道なのです。
特に業界は年収に大きく影響するので、業界を変える軸ずらしがオススメと本書には書かれています。
motoさんは1社目は小売業界、2、3社目は人材業界、4社目はIT業界、5社目は広告業界と、平均年収の高い業界へ「軸」を移しつつ、営業という職種の軸はそのままに、役職も上げて年収を増やしてきたのです。
転職エージェントから「自分に合った求人」を引き出す方法
転職エージェントを利用する場合は以下の特徴を知り、それに合った姿勢で面談に臨む必要があります。
①「求人大量収集型」:初転職〜2社目転職者におすすめ
大手転職エージェントが該当するので大量の求人を保有しており、数打てば当たる戦法でたくさんの求人を紹介してくれます。
「リクルートエージェント」や「doda転職エージェント」などが該当します。
面談では「どんな仕事にも興味がある転職者」を振る舞うのがおすすめです。
大量に求人を見せてもらい、関心の有無で求人を仕分けていくうちに「自分は何に興味があるのか」「大事にしている軸は何か」「今、何に不満を感じているのか」などがわかるようになります。
その軸を見つけるためにも、たくさんの求人情報を出してもらってください。
②「一点求人コミット型」:2社目以降の転職者におすすめ
2回目以降におすすめなのが、「ギークリー」や「type転職エージェント」などの少数精鋭でやっている小規模〜中規模転職エージェントです。
このタイプは「あなたにはこの会社が合います!」と特定の求人を推してくる傾向があるので、その求人が自分に合うと思ったら受けると良いでしょう。
③「寄り添い提案型」:2社目以降の転職者におすすめ
「ビズリーチ」や「キャリアカーバー」に登録している、個人や小規模な転職エージェントに見られるのが寄り添い提案型です。
このタイプの転職エージェントは、多くがビズリーチ経由で連絡してくるので、登録して接触してみてください。
DMなどを経由して、「転職しなくてもお会いして情報交換しましょう」と声をかけてくれるはずです。
中には寄り添いたい気持ちが強いあまり、面談で「生い立ち」から話を聞いてくる転職エージェントもいますが、面倒くさがらずに話をすることで、他の転職エージェントでは紹介してもらえないような求人をもうこともできます。
④「業界の情報通型」:同業志向の転職者におすすめ
多くの転職エージェントは人材業界の出身ですが、業界に特化した転職エージェントの場合、エージェント自身が金融業界やコンサル、ITなどの出身であることが多く、自身の業界での経験をもとに、キャリアアドバイスと求人提案をしてくれます。
このタイプは「コトラ」や「ムービン」が該当します。
⑤「ヘッドハンター型」:役職ありハイクラス転職者向け
役職(執行役員以上)のある人は、ヘッドハンターを利用した転職活動が効率的です。
有名なヘッドハンティング企業には「JOMONアソシエイツ」や「ロバアート・ウォルターズ」があります。
CEOやCOO、CFOなどをはじめとする幹部ポジションがメインなので、かなり特殊な動きをします。
本業を活かして稼ぐ「サラリーマンの副業」
転職を繰り返してキャリアアップができてきたら、その経験を一つのコンテンツとして発信していきましょう
「サラリーマンとして苦労して得たこと」や「自分の転職経験」などです。
motoさんはTwitterから自分の経験談の発信を始め、ブログやnoteでも収益に繋げています。
この副業は本業あっての副業なので、ブログなどが儲かったからといって本業を辞めてしまうと、そこで最新情報はアップデートされずに副業でも稼げなくなってしまうのです。
あくまで本業あってのコンテンツ配信なのです。
なので本業は辞めることなく常にキャリアアップを念頭に行動し続けるのです。
そしてそれをコンテンツとして発信する。
これがmotoさんが本書で強く伝えたいことだと思います。
副業年収4,000万円でもサラリーマンを辞めない理由
先ほども書いたように、motoさんの副業の情報源は「サラリーマンとしての経験」です。
そのため、サラリーマンを辞めてしまうと、自身の経験や知見をアップデートすることができなくなり、副業でお金を稼ぐことが難しくなります。
人の役に立つ情報は、常に最新かつ本質的なものでなければなりません。
一時期、「サラリーマンという働き方は搾取されている、社畜にならない方がいい」という風潮がありました。
しかし、個人的には、サラリーマンという形態が社畜なのではなく、働く上でのスタンスが問題です。
いつまでも会社に依存している人は社畜かもしれませんが、会社に依存せず、副業や社外活動を通じて活躍しているサラリーマンは、社畜ではありません。
転職と副業は、サラリーマンであれば誰でも使うことができる「術」です。
しかし、これを掛け合わせてキャリアを組み上げている人は、まだ多くありません。
本書は自分の市場価値にこだわってキャリアを築いた経験が語られており、まさに「転職と副業のかけ算」です。
「給料はもらうものではなく、稼ぐもの」
それを常に意識しながら行動することが大切です。
本書を読んで、自分も自分の市場価値をもっと意識して行動していこうと思いました。